知っているなら話すべきなのだろうが、そこはちょっとした出来心。
初めてお願いごとならば、彼女の期待を上回るほどの成果をあげたい。
頭にある絵は、彼女にルビーを渡して、『すごい!』と言われる自身。
幼稚なことで喜ぶ安い奴だな、俺も。と内心呆れつつも、彼女を前にすれば、いい男でありたくなる。
「シキミを見ていると、何でも出来るって思えてくる」
「何でもしてくれるだけですよ、アガトは。――もっとも」
紅茶にハチミツをたらしながら、シキミは薄く笑う。
「出来ないことなどありませんがね」
出来ないと諦めるものなら、出来るまでやろう。
私は、“それが”出来るからと、シキミは紅茶を飲んだ。


