明日は我が身のインプが、アガトの角を止まり木にしたので払っておく。
「勘違いしている。俺は今まで、誰も殺したことなんかない」
「は!?」
かなりの衝撃だったらしく、地に落ちたままインプはその場から動かなかった。
「い、や、え、え?だ、だって、千人ぐらい殺さなきゃ、あんなにレベルアップは、え、あれ?」
「お前の舌、狂っているんじゃないのか」
「そんなはずは……、あ、だったら!ダンナは召喚物でもあるわけで……って、これもあり得ねえか……、千人補えるなんて」
ぶつぶつ言うインプに付き合う暇もないかと、アガトは呼ばれたのに気づく。
足元から捲り上がっていく感覚を感じて、ああ、また彼女に会えると微笑を浮かべた。


