悪魔は人に依存する



へし折れた大木にでも止まっていたか、惨事に飛び出してきたインプを、デウムスは伸ばした管――象のような長い鼻で近場に飛んでいたインプを捕まえ、口に入れていく。


「胃袋に手ぇつくとあんな感じなんすかねぇ」


「お前の仲間が喰われているぞ」


「弱肉強食。喰われる前に逃げてみせなきゃ、死んじまう。――は、ココの掟じゃないっすかぁ」


つまりは同情する気もないとインプはせせら笑った。


「ココを呑み込む気っすかねぇ、あいつ。ダンナー、強いんなら、あいつのしてくれませんかっ。応援しますぜ、手前」


協力ではなく、あくまでも応援なインプに首を振る。


「やめておく。やる意味がない」


「意味ならありますよー。ダンナのレベルアップっす!」