猛禽の羽を一枚むしり、軽く痛みがあったのに辟易した。
「ポエミーなこと言わんといてくださいっすよ、ダンナ」
「ポエミー?」
聞き慣れない言葉だと、とぐろ大木の枝先で羽休めをしている鳥をアガトは見上げた。
因みに彼はその大木の幹に腰かけて、鳥が言うところのポエミーになっている。
「手前が行った人間界では、なんつーか、そんな造語が流行ってましたぜ?とりあえず、メルヘンな脳内だけでもあいてててな奴なのに、それを口に出す奴は更にメルヘンみたいな感じっすねぇ」
「救いようがない馬鹿か……」
叶わないことを夢見て言葉にするだなんて、確かに馬鹿なことをしたなとむしった羽を捨てる。


