「で?今回、アガトくんは晴れて復讐を果たしたわけだけどん」
過去の復讐ではなく、恋敵への憎悪と入れ替わっても、結果的にアガトはノエマを殺して(憎んで)みせた。
「もうあなたは、誰とも寝ないよねん」
「まさか、あと37人います」
殺すべき相手にして、アガトが憎むべき相手。
「一人一人、順番に、アガトを汚点と罵った奴らを憎んでもらわなきゃ。殺せばアガトは強くなる性質ですから、やがてはあちらの世界で一番の強者になることでしょうねぇ」
うっとり、と王座に君臨する男の勇ましさに見惚れる。
「そうすれば、もう誰も、アガトを汚点だなんて言わない。私が見ていない世界(ところ)で、アガトが可哀想な目に合うのは嫌ですからねー」


