「っ、はっ!」
そこで、ノエマは真実を知った。
デウムスの件は、この世界に帰る間際に聞いた話。
なぜあの方が、こちらの世界の情報を知っているのか分からずにいたが。
「く、そっ」
仕組まれていれば、そうなることも予想できる。
「シキミ、わたし、はぁっ」
“こうなることだって、全ては”――
「私は、君を本気でっ、つぅ!」
絶対なんだ、一番なんだ。
故に私は、“その他大勢の一人”ではない。
「愛されていたのは私だっ、貴様では、貴様ではああぁ!」
彼女の寵愛を受けることこそが、いつの間にか、ノエマの矜持となる。
折れるわけにはいかない、認めるわけにはいかない。


