「馬鹿な……っ」
そうとしか叫べない。
殺したと思っていた、いや、断定したのだ。
悪魔の丈夫さは人間のそれと比べ物にならないし、頭さえあれば再生できる奴もいようが。
「何で、貴様がっ」
“私に出来ぬことを、している”――
頭のみで再生できるなど、それこそ指折りしかおらず、ノエマはまだその位には達していない。
故の、断定。
上位(ノエマ)に出来ぬことを、どうして下位(アガト)が出来よう。
だというのに、アガトの胸の穴は塞がっていた。
溝を別の肉で埋めていくような、この驚異的な再生力は、ああ――
「デウムスを……!」
殺した悪魔がいると聞いてはいた。“彼女から”。


