未来へのボール*WINTER*


「………なんてね。」

多分、出来ないだろうね。


あたしは痛いの嫌いだし。

何より…ライを殺すなんて出来ない。


かといって、眠ったライだけを

ここに置いていくなんてことも

出来ない。


実際に、出来るのなら。

やるほどの勇気があたしに有ったら。

あたしはやってたかもしれないけど。


そんな勇気、

弱いあたしが持っているわけもない。


寂しいのに、求められない。

寒いのに、温まれない。

暗いのに、明るくならない。


悲しいのかもしれない。

切ないのかもしれない。

虚しいのかもしれない。


けど…やっぱり苦しい。

それでも、涙は出ないのは何故だろう。