名前を記入する所には、 綺麗な字体ではっきりと "橘羅琉"と記入されていた。 「……っ。」 《ガタッ》 俺は席を勢いよく立ち、そして走った。 《ガラッ》 さっき静かに閉まったドアを、 乱暴に開けて、ひたすら。 見慣れた校舎を走り抜ける中、 必死にあの小さく細い後ろ姿を探した。 どこにも、居ない。