新撰組刹那綴-霞草-



「おーい、おめぇら!
嬢ちゃん連れてきたぜ!」

襖の先にはすでに朝ご飯を食べようと
皆が座って待っていた。


「待ちくたびれたっスよ。珠稀」

「え?」

「あ、あれ?
珠稀じゃなかったっけ?」


「い、磯部珠稀です。
遅れてすみません。えぇと………」


「ああ俺?俺は藤堂平助。
"平助"って呼んでくれていいぜっ」

「……はぁ」

「おい平助。嬢ちゃんが困ってるだろ」
「あ、やべっ」


「まぁ、今後のことも考えて
嬢ちゃんには
ひととおり自己紹介なんざ
しておいた方がいいかもな。
取り敢えず嬢ちゃん。
好きなとこ座んな」


原田さんに言われて私は
平助と原田さんの間に
座ることにした。