昨日、朝礼で田村の結婚が発表された。相手は入社三年目の可愛らしい子。
同期の私は五年も田村と一緒にいながら、二人が付き合っていることを知らなかった。
五年も側にいたのに……三年一緒に仕事をした彼女の方が、私より数倍近い存在となる。
私だって、田村のことが好きだったのに。同期という戦友のような関係を崩したくなくて、ずっと言えなかっただけで、好きだったのに。
「……」
田村は私のことを、この五年間ずっと、ただの同期としか思っていなかったようだ。
そう思うと無性に腹が立ってくる。
「だから、なんなんだよっ」
「なんでもないわよ」
わかってる、気持ちを伝えなかった自分が悪いって。
しかも今は仕事中。私情を挟むなんて、私らしくない。