「桐谷忍っ」

「はい」

よく知った名前と
キレイな低い声に
思わず顔を上げた。

歩く姿、卒業証書を受けとる姿、
どこをとっても絵になる。

女子生徒のみならず
卒業生のお母さんの視線まで
ガッツリいただいている忍は

お兄ちゃんではなく、
たまたま同じ高校にいた王子様。

そんな感じ。