何事かと二人で廊下に出ると この高校の王子が キラキラな笑顔を振りまきながら 近づいてきた。 それは、紛れも無い 私の愛しいお兄ちゃん。 うん、やっぱりカッコイイ。 「琴葉、入学式終わったら一緒に帰ろう。迎えに来るから。」 「うん、分かった。」 それだけ言いに来たらしい 忍の背中を見ながら ドキドキする胸を押さえた。 それからは、 珍しいものを見るような目で 見られ居心地が悪かった。 中学校で慣れたと思っていたが それは甘かったようだ。