勢いよく扉をあける。 リビングに忍の姿はない。 驚いた様子のお母さんをよそに また階段を駆け上がり 忍の部屋をあける。 すると、部屋はもぬけの殻。 部屋にはダンボール一つなかった。 ただ、部屋の真ん中に ぽつんと封筒がおいてあった。 表には“琴葉へ”の文字。 見慣れたきれいな忍の字だった。 それをつかんで 再びリビングへ向かう。