「素敵な候補がそちらに。ねえ?」

あからさまに嫌そうな顔をするカルサに構わずナルはリュナを手で示した。

リュナは顔を真っ赤にして両手と首をとにかく振り続ける。

「あらまあ。」

可愛らしいとナルは楽しそうに笑い、それはさらにリュナの頭の中を混乱させた。

「行くぞ、リュナ。」

「はい!」

カルサのため息混じりの声にリュナは反射的に姿勢を正した。

ナルに深々と頭を下げて先に歩き出しているカルサを小走りで追いかける。

「気を付けて。」

ナルの真剣な声はもう届かない。

そして二人はナルの部屋をあとにしたのだ。