御劔 光の風2

「私の真意なんて簡単なものですよ?」

サルスの頭を撫でながらレプリカは話しかけた。

もちろんサルスは深い眠りの中、彼女に答える訳もない。

「この場を利用しているだけ。」

言葉とは裏腹にレプリカはどこまでも穏やかな表情だった。

カルサとリュナが封印されてからどれだけの月日が流れたのだろう。

カルサはサルスが、リュナはレプリカが演じることで国は均衡を保っていた。

あの襲撃のすぐあと、自らがカルサとなり表に立ったサルスを見たときにレプリカはことの深刻さに気が付いた。

彼女には彼がカルサ本人でないことはすぐに分かったのだ。

それと同時に自分の主人であるリュナが居ないことにも気が付いた。

風の気配がしない。

レプリカはすぐに行動を起こしてサルスに近付いたのだ。

風神の役目を自分にやらせてほしいと。

「私はリュナ様の居場所を守る為にここに居るのです。」

何かあった時の為、そんなことは本来考えなくてもいいと言われがちだがそうもいかない。