言えない言葉がある。
言いたい言葉がある。
ここまで来たら同じなのに、カルサは言えずにいた。
意味が変わりそうで、まるでそれを材料にしたと思われそうで、口を開いても声が出ない。
「カルサ。」
ふいにリュナに名前を呼ばれカルサは我に返った。
深く考え込んでいたらしい。
彼女は不安そうに見つめていた。
「どうした?」
リュナは目で何かを訴えている。
それを口にするように促すと、リュナは一呼吸おいて声にした。
「私は力になれる?」
リュナの想いが心に響く。
カルサの過去を聞いてもリュナは全てを受けとめた。
彼女は聡明だ。
身体を捨てて時を越えてまで生き延びているカルサに課された指名は軽くはない、そんなことは分かっている。
要望を後回しにして逃げ道を絶とうとしているカルサのやり方にも気付いている筈だ。
「風の力は必要だ、役に立つ。」
言いたい言葉がある。
ここまで来たら同じなのに、カルサは言えずにいた。
意味が変わりそうで、まるでそれを材料にしたと思われそうで、口を開いても声が出ない。
「カルサ。」
ふいにリュナに名前を呼ばれカルサは我に返った。
深く考え込んでいたらしい。
彼女は不安そうに見つめていた。
「どうした?」
リュナは目で何かを訴えている。
それを口にするように促すと、リュナは一呼吸おいて声にした。
「私は力になれる?」
リュナの想いが心に響く。
カルサの過去を聞いてもリュナは全てを受けとめた。
彼女は聡明だ。
身体を捨てて時を越えてまで生き延びているカルサに課された指名は軽くはない、そんなことは分かっている。
要望を後回しにして逃げ道を絶とうとしているカルサのやり方にも気付いている筈だ。
「風の力は必要だ、役に立つ。」



