私は好きなの！⇔オレを見ろ！

「裕也、ちょっと席外してくれる？」
「あ、オレはもう帰るわ」


　裕也も何か察したのか出している教科書をしまい、二人を残して家に帰っていった。


「ごめんね雪ちゃん、せっかく宮本君といたのに…」
「そんな事ないって、本当はアイツに迷惑かけられていたから助かったくらい」


　言葉と表情は一致せず、顔はどことなく微妙な表情に変化していき、それに連動するかのように瞳の気持ちは沈んでいく。


「瞳、話って…のは？」
「うん、カイ…、笹木君の事なんだけど」
「海斗君がどうしたの？」
「あの……ね、笹木君に告白されて……」
「え、そうなの？」


　雪奈はこの時、裕也達が合コンの際の行き先をを知っていたのか謎が解けた。


「へえー、よかったじゃない」


　しかし、瞳は暗い顔のまま、全く変わらない。