私は好きなの!⇔オレを見ろ!

「オレって天才!」
「つうか、こんな基本解らないと解けるわけないでしょう?」
「うる…、あの雪奈様、お願いあるんですが…」
「お願いって?」
「テストまでマンツーマンで指導して」
「いや〜〜〜、べ…」


 雪奈は思いっきりアッカンベーしようとするが、裕也の潤んだ目を見るとアッカンベーを途中でやめてしまった。


「でも、私とアンタじゃ学部が違うから…全部は無理」
「わかるやつでいいから」
「じゃあ私も一つ願い叶えてね」
「わかった、だからお願い」
「よっしゃー、それで何がわからない?」


 裕也はわからない教科を全て出し、雪奈は裕也の隣にどっしり座る。


「じゃあこれからお願い致します」


 海斗の出番はすでになく、裕也に何度も帰ると伝えた。しかし、裕也は先ほどみたいに余裕がないので雪奈が代わりに答えた。