私は好きなの!⇔オレを見ろ!

「海斗も行こうぜ」
「え・え・え・え・え・え」
「可愛い子紹介してよ」


 裕也のこの一言にある人物が傷ついた。


「ああ、いい人ゲットしたいな」
「賢一、お前は相手からが言い寄られるじゃん。何で彼女作らないわけ?」
「言い寄られるのと恋人は違うからな」
「羨ましい悩みだ。オレはそんな経験一度もないし」


 賢一は嫌みなど言った覚えがないが、裕也にはそれが嫌みに聞こえてしまう。


「アンタに言い寄る物好きはいないから」
「あれ雪奈、オレに気があるわけ?」
「アンタなんかタイプじゃないからね」


 この言葉に裕也は動揺してしまい、いつものような反論は出来ない。


「んだよ。もういい、<カイヨウ>で今日の作戦でも立てようぜ」


 裕也はすぐにここから立ち去りたかったので海斗と賢一の手を引き、部室を後にした。