私は好きなの!⇔オレを見ろ!

「ねえ、理事長の別荘に行けるって話、本当?」


 雪奈は触れてはいけない部分を簡単に触れ、裕也は思わず雪奈の方に近寄った。


「しー!」
「何突然?」
「いいからこっち来て」


 裕也は雪奈の腕を掴みを紗耶からは聞こえないところまで離れ、先ほどの紗耶と理事長の仲に関する質問を雪奈に話す。


「へえ、紗耶と理事長さんが怪しい仲ねえ、知らなかった」
「いやまだ怪しいかはわかんねえけどね」
「ん、ちょっと待って?もしかして紗耶と二人きりだったの?」
「そうだけどそれが?」


 雪奈は何も言わず裕也の足を踏み付け、グリグリとまるでねじこむように足を動かす。


「痛!」
「紗耶に変な事したんじゃねえよな?」
「何、紗耶ちゃんの彼氏きどり?」


 雪奈は無言のまま裕也に痛みを与え、裕也の叫びが室内に響く。