私は好きなの！⇔オレを見ろ！

「何…言っているかわからないけど…、勝手に…行く場所…決めて」
「だって海だぜ、それにタダ。言う事ないじゃん」
「…それは、そう…だけど…」
「早くこないかな〜、あ、そうだ、おーい賢一」


　裕也には唯一近づかなかった賢一はやれやれという顔をしながら、近づいた。


「何？」
「何怒ってんの？あ、勝手に決めた事か。なら謝るよ、ゴメン」
「で、話あんだろう？」
「うん、モテるお前にいろいろ伝授してもらおうと思ってな」
「違う事伝授するよ」
「違う事？」
「雪奈さん、怒るだろうな〜」
「雪奈が？何で？」


　賢一は思いっきりため息を吐き、一から説明した。


「部長って雪奈さんだろう、オレが決めたならともかく裕也が勝手に決めてとばっちりくうかもしれないぞ、今ケンカ中だし」


　時間がたち、少し冷静になっていた裕也は顔を青ざめていく。