私は好きなの!⇔オレを見ろ!

「じゃあ細かい打ち合わせは後日にしましょう。楽しみに待っているから」


 理事長は用があるみたいでその場を後にし、石崎が見えなくなった途端、裕也は腰を抜かしてまたその場に座りこむ。


「ゆ・ゆ・ゆ・ゆ・裕也、大丈夫か?」
「年上も…いい」
「え?」


 一番に裕也に近づいた海斗の問いかけに全く別の解答だったので、目を見開いた。


「海斗、決めた。今年は大人の女性に手取り足取り教えてもらう」
「手取り?」


 そういうことに疎い海斗は、裕也がどうゆう事を言いたいのかわからず聞き返してしまった。


「あの…いいの?」


 次に近づいてきたのは紗耶で、先ほどとは違う表情がそこにあった。


「いいのってタイプだし?」
「タイプ…?」


 またも話は噛み合っておらず、裕也の目と耳は全く機能してない。