私は好きなの!⇔オレを見ろ!

「それじゃあ誰と組むか決めよう。力的にオレと賢一は別々だな」
「いや、どう見てもオレと紗耶さんでしょう?紗耶さん体力も技術もあるし」


 本当の事を言われた裕也は言い返す事が出来なかった。


 賢一と紗耶はジャンケンでどちらか決めようとした時、室内入口からある人物が近づいて来る。


「あなたたち…、ちょっといいかしら」


 その近づいてきた人物は40代位の女性で、着ている物から金持ちそうな品のある女性であった。


「はい、何でしょうか?」


 裕也はその女性の大人の色気と見た目は20代と言ってもわからないほど綺麗な顔立ちだったので、緊張のため思わず声が裏返ってしまう。


「理事長の石崎です」
「理事長!」


 裕也は思わず紗耶を見たが紗耶はコソコソする様子は見られず、いつもどおりの顔だった。