私は好きなの!⇔オレを見ろ!

 一人無駄な動きが多かった海斗と体力のない裕也は軽く汗をかき、とてもスポーツをする恰好ではない紗耶と全く無駄な動きがない賢一は汗一つかいていない。


「じゃあ試合始めようか?」
「待った、ちょい休憩」
「休憩って始めてまだ10分くらいだぞ」


 裕也はその場に座りこみ息を調えだした。


「お前ら体力なすぎ、紗耶さん大丈夫?」
「は、はい。どうして…です?」
「いや、疲れたのかな〜って思ってさ」
「いえ…、何ともないですが」
「そお〜?」


 全てにおいて完ぺきに近い賢一とそれに負けない紗耶はまるで王様と女王様みたいで、床に座りこんでいる裕也は王様に頭を下げる平民みたいになっていた。


「よし、体力回復。次はダブルスな」


 裕也はストレッチをしていつでも準備万端のアピールを始めると、賢一も軽く屈伸をしていつでも準備万端。