私は好きなの!⇔オレを見ろ!

「はい」


 多少手加減したのもあったのだが、紗耶は難無く裕也からのリレーを受け取ると、今度は海斗にそれを渡す。


「うわっと」


 海斗は体制を崩しながらも何とか返す事ができ、以降20、30とラリーは上手く続いていった。そして50を楽々クリアした四人は更に目標を増やし、100に近づく。


「どうした裕也、もう息あがっているぞ」
「まだまだ、こんなんで息あがるわけねえって」


 裕也と賢一、負けたくないのか互いに意識をし、海斗と紗耶の存在はすっかり忘れさせられていた。


 危なげなく100をクリアした。が、それからすぐに海斗はラケットのフチの部分に当ててしまい、賢一に渡したが届かなかった。


「あーあ」
「そう言うなって裕也。海斗が可哀相だろう」


 少し息があがっていた裕也にとってコレ以上続けれる自身はなく、正直ありがたかった。