私は好きなの!⇔オレを見ろ!

「二人が戻ってきたら行こうか?」
「…そう…しましょう」


 今までの緊張状態から解放されたと勘違いした裕也の顔を明らかに緩んでおり、そんな裕也のニヤけ顔に雪奈はカンに触ったのか辺りをキョロキョロしだす。


「今日…、他の運動部…少ないから、ほとんどの運動…できるみたい」
「そうなんだ。いやー、こうゆうことテキパキちゃんと出来る子って好感持てる〜」


 裕也は嫌味とかではなく紗耶の準備のよさをほめただけなのだが、雪奈には嫌味を言われたと思ったのか誰のかわからない雑誌を裕也に向かって投げた。


「うわ…、あぶねえな」
「ごめんなさい、手が滑っちゃって」
「滑ったって、オレらの距離離れているんだけど」


 雪奈はその問いに答えようとせず、雪奈が手を滑らしたという雑誌を拾いあげ、また投げられないよう近くの椅子に置く。