私は好きなの!⇔オレを見ろ!

 二人は人気がほとんどない場所に移動し、対面する形で互いを見つめ合うみたいになっている。


「ごめんね突然」
「いや、でも瞳ちゃんがこんなに積極的な子だったなんて」
「どうしても…その…」


 瞳は言葉が詰まったのかそこから先はなかなか切り出せず、二人に変な沈黙が続く。


「瞳…ちゃん、もしかして何だけど…、その…何て言うか」
「・・・・・」
「言いづらい事何でしょう?それならまたこん…」
「・・・・・」
「ううん、いやこの際はっきり言おう」


 裕也は裕也自身が言おうという意味だったのだが、瞳は緊張からか違う解釈をしてしまった。


「そうだね、いつまでもグチグチしていてもわからないもん、私言うね」
「え!」


 裕也の鼓動はピークに達し、昨日までの不幸とか全て吹っ飛ぶくらいな気持ちだった。