私は好きなの!⇔オレを見ろ!

「お疲れ様」


 何も知らない海斗は瞳と一緒に部室に入り、互いに持っていた荷物を椅子や机等に降ろすと裕也は海斗に近づく。


「聞いてくれよ」
「え・え・え、何?」
「え、多すぎねえ?」
「聞いてほしい事ってそれ?」
「違うよ〜。雪奈は口は酷いし、賢一は首絞めるしさ〜」


 裕也は先ほどまでの出来事を多少オーバーに海斗に伝えた。


「それは川口さんの方が正しいんじゃ」
「ここにはオレの味方はいないのか?」


 裕也を除く五人は声には出さなかったが、笑いが込み上げた。


「ハイハイ。それで合宿のことなんだけど…」
「賢一、海にしようぜ、海。キツイの嫌だし、やっぱり夏は海って相場は決まってるし」


 妨害された事に少しムッとした裕也は、早く終わらせたかったのか声が不機嫌である。