三人は賢一の車で大学から裕也の家まで走らせて賢一は運転をし、紗耶は後ろの席に座り雪奈は道案内で助手席に座る。


「裕也に何か買っていく?」
「山元君マメねえ〜、でもアイツに何か買っていく必要ないから大丈夫だよ」
「裕也、昨日けっこう凹んでたしな…」


 その一言で車内の空気が重くなり、それにいち早く気付いた賢一は話題を変える。


「そ、そういえば、雪奈さんと紗耶さんってこんなに仲良かったけ?」
「…そう?」
「うん。何か紗耶さんって、上手く言えないけど…、オーラがあるって言うか?」
「オーラ…?」
「ねえ雪奈さん、確かにそうだよね?」


 横目でチラッと雪奈を確認し、賢一は同意を求めようとした。しかし、昨日の尾行で仲が深まったとは言えなかったので、曖昧な返事でしか答える事が出来ない。