私は好きなの!⇔オレを見ろ!

「男の人って…、ああいうのがいいから…腹ただしい」


 紗耶はバストにコンプレックスを持っているらしく、思わず本音が出てしまう。


「さ、紗耶?」
「それより…、みんな出たみたいだから、私達も出ましょうか…?」
「うん。あ、その前にその子は裕也と話てた?」
「ううん、…その子笹木君と…話してた」
「ささき…?ああ、海斗君の事」


 雪奈はホッと胸をおろし体の力が抜けた。


「それじゃあ…、出ましょう。早くしないと…見失ちゃうから」


 店に出た二人はすぐに裕也たちの姿を確認し、賢一と海斗は二次会に行くみたいだったが、裕也だけは別の方向に歩く。


「裕也…」
「どうする…、もうこれ以上続ける意味…ないし」
「う、うん。帰ろうか」


 哀れな裕也の後ろ姿が遠くなれば遠くなるほど、雪奈は何とも言えない歯がゆい気持ちとなっていく。