「失礼ねえ〜、どうせ秋本さんにいやらしい事でも考えていたんでしょう?」
「ハア〜?意味わかんねえし」
「秋本さん、裕也に変な事されたすぐに駆けつけて倒すからね」


 雪奈の幼い顔からは想像できないほどの発言に紗耶は困り顔の笑顔を返すしか出来ない。


「前々から思っていたんだけど、雪奈って本当は男の娘とかじゃねえ?」
「うっさいアホ裕也」
「アホとは何だアホとは」
「大体アンタはね…」


 この言葉を皮切りにベンチから立った裕也は雪奈と痴話ゲンカが始めた。


 こういう時、紗耶はどうしていいかわからずオロオロすることしか出来ず、早く誰かが来ることを願う事しかない。


「おいおい、夫婦ゲンカはよそでしてくれる?ここスポーツサークル何だからさ」


 部室の外から誰か男性の声をした。三人がその声のする方向を見ると声の主は賢一だった。