私は好きなの!⇔オレを見ろ!

「ねえ…山元…君」


 裕也は賢一に破局までさせようと追い込んだ二人に気遣い、賢一の事を話さないようにしていた。


 だが、瞳の思いがけない一言に身体に拒否反応に近いのが起こった。


「山元……君は?」
「賢一か……、その…」
「雪ちゃんに聞いて…その……」


 賢一をとても信用していた瞳はショックだったのか、また言葉がでなくなっており、会話が止まった。


「賢一…、合宿終わった日から来ていないんだ」
「・・・・・」
「紗耶ちゃん同様に理由がわからないけど……、多分二人とも忙しくって…」


 後半になるにつれ、裕也の言葉には力がなくなっており、それに気付いた瞳は何も答えない。


「だから…さ、あの…、その…」
「・・・・・」


 裕也は海斗と瞳の様子を見て、呼び戻して本当にいいのか疑問が生じてしまう。