合宿での出来事から早二ヶ月が経過していた。あんなに暑かった夏もすっかり涼しくなり、半袖から長袖の季節を迎えていた。


「ふうー、やっと授業終わった」
「お疲れ裕也」


 合宿にこなかった海斗は、裕也のへばった姿を見て以前のように笑っている。


「なあ海斗、今日こそサークルは来るんだろう?」
「え・え・え・え・今日も…その」
「何だよ!瞳ちゃんと仲良くデートか?」
「で・で・で・デートとかでは…」
「顔に書いてるぞ」


 海斗は書いてあるはずもない顔をこすり、その姿が可笑しかった。


「今でも意外だな。お前から告白したなんてな」
「…………うん」
「まあ何だ、大切にしろよ。オレは紗耶ちゃんにフラれたしな〜」
「かわぐ…、いや、裕也も出来るって」
「この野郎」


 裕也は軽く海斗を突いたのち、二人は教室を後にする事にした。