「この辺の道はわかりにくいので我々が案内します」


 四人は石崎のペンションに戻る事になり、横に裕也・警察官・賢一・警察官の順に並んで歩く。


 賢一は電池で動く人形のようにただ動くだけの存在になっており、もう何を言っても届かない状況になっていた。


 だが、裕也は何にも出来ない事はすでにわかっていたが、どうにか説得が出来ないか考えた。


「なあ…賢一」
「・・・・・」
「さっきの横の事だけど…、わかったよ。横だと互いが互いにに支えあえるだろう?オレは雪奈とそういう関係になりたいだ」
「・・・・・」
「でな、お前とは違う形で仲良くしたくって…」
「・・・・・」
「だからお前の返事は断るよ。オレに出来る事はその返事を答える事だけだから」


 賢一はその言葉に一切反応しようとせず、賢一の心はすでにここにあらずだった。