私は好きなの！⇔オレを見ろ！

「ところで何故僕が宮本だと？」
「山元君はイケメンで背が高いと聞いてまして。見たらすぐわかりました」


　裕也は複雑な心境にはなったが、自分の命が助かったため文句は言えなかった。


「ところで彼は何であんなに暴れているんです？」
「それは…そう、パニックになっているですよ。賢一はこういうの苦手でして」


　賢一は取り押さえていた警察官よりガタイがよく、その警察官では手に余すほど暴れっぷり。


「…裕………也………、たし……だ………ンタ………好………愛し……」


　賢一は興奮のあまり、警察官二人は何を話しているかわからなかったが、裕也には賢一が言いたい事が何となくわかった。


「ほら落ち着いて」


　裕也と話していた警察官が加勢に入ると観念したのか、まるで電池が切れたように次第に大人しくなる。