私は好きなの!⇔オレを見ろ!

「き、君達、何してるだ?」


 ライトを持った二人組の男たちは賢一を抑え、賢一はその男達の制止を振り払うように抵抗した。


「ゴホ、ゴホ、誰…?」


 裕也は二人組の確認をすると制服姿の警察官の格好をしている。


「宮本裕也君だね?」
「はい…、あのお巡りさんですよね?」
「はい。そうですが…」
「どうしてここに?」
「連絡がありまして、石崎さんってわかりますよね?」
「イシザキ…?」


 裕也は少し間を置き、すぐに石崎の顔が浮かぶと手をポンと叩いた。


「その石崎さんから、宮本裕也君と山元賢一君が帰ってこないから捜索願いをお願いされて」
「そうだったんですね」


 真実は全然違ったのだが警察官がいることに安心した裕也は緊張が一気になくなり、力が抜けた。