それから時間はあっという間に過ぎ、外は10メートル先もわからないほど真っ暗になり、雪奈以外はワクワクしながら待っていた。


「まだかな〜。もう10時過ぎるぜ」
「宮本…君、あの時計…壊れてるよ」
「そうなの?」
「満里子さ…、理事長さんは時間にはキッチリ…する人だから…」
「ふーん」


 裕也と紗耶はリラックスした状態だが、雪奈は身体が震えており、賢一も何だか顔が緊張していた。


「賢一、怖いの苦手だっけ?」
「いや、大丈夫」


 しかし賢一の表情が和らぐ様子など微塵もなく、むしろ時間の針が進むほど緊張が増しているようであった。


「はいみんないるわね〜?それならプリント配ります」


 まるで学校の授業のような口調でプリントを配布し、一つは地図、二つ目は契約書みたいなやつが書かれており、サインするところがあった。