「いいじゃない。夏の締めくくりは花火か肝試しって決まっているだから」
「…本当にそれだけ?」
「それ以外な〜に?」
「…もしかしてだけど、さっき…満里子さん、オバさ…」
「さっちゃん、落とすわよ」


 石崎は個人的な理由を果たすためだけに行った事で石崎の子供ぽさに、紗耶は苦笑いするしかない。


 そんなどうでもいい会話をしている事を知らない裕也は再び海に泳ごうとしたとき、後ろから腕を引っ張られる。


「…雪奈?」
「裕也…どうしよう」


 雪奈は昨日の裕也みたいに元気がなく、消えてなくなりそうな声であった。


「どうしようって…、ああ、雪奈お化けとか苦手だったよね」
「お願い、夜に救急車に運ばれて。私も手伝うから」


 雪奈が手伝うと言ってアレしかないとすぐにわかってしまい、顔がひきつった。