私は好きなの!⇔オレを見ろ!

 それからどれだけ時間が経っただろうか、裕也は体を激しく揺らされるまでぐっすり眠っていた。


「え、あ、うん…、海斗…?」
「う・う・う・うん、もうすぐ出よう」
「出よう…?あっ合コンだった合コン」


 裕也はかなり待たされた事などすっかり忘れており、合コンで頭がいっぱいで時間は待ち合わせ時間に近くになる。


「行くぞ海斗」
「せかすなよ」


 大学を出て居酒屋に向かう道中、裕也は用があって賢一がいない事を思い出す。


「賢一は結局戻ってこなかったな」
「さっきメールで時間ギリギリになるから先に行っておいてだってさ」
「そう…、ん?何か忘れているような?」
「忘れている?」
「たしか海斗に何かを言わな…ま、いいか。たいした話じゃないから」


 二人は居酒屋に着くまでの間、さっきの話の続きを始めるかのようにべちゃべちゃと話始めた。