私は好きなの!⇔オレを見ろ!

「裕也、オレはいつだってお前の味方だからな」
「…うん。……戻ろうか?」


 二人は来た道をそのまま引き返すように泳いだ。しかし、波は二人を帰さないように潮の様子が変わっていったようだ。


「何か…着くの遅いな」
「疲れているからな、ほら裕也頑張れ」


 そうは言っても、賢一も体力を使いすぎたのか来たときよりもスピードも体のキレも落ちている。


「大丈夫か?方向間違ってないか?」
「落ち着け裕也、来た方向と逆に泳いだら着くからさ」


 その言葉どおり、離れたところには海岸が見え、石崎のピンクのペンションらしい建物もわずかながら確認出来た。


「あとちょっとだか…アレ、裕也?」


 賢一は後ろの方を泳いでいた裕也を見たが、裕也はおらず辺りを見回しても姿はどこにもない。