私は好きなの!⇔オレを見ろ!

 一階に行くと他の四人は席についており、裕也は真っ先に雪奈が目に入ったが極力見ないようにした。


「それではいただきましょうか?」


 石崎が段を取るとみんなが手をあわせ、裕也と雪奈以外は楽しみながら食事をする。


 紗耶と石崎は賢一のカレーを、賢一は紗耶と石崎の付け合わせなどをほめあった。


 すると賢一は裕也が手すらつけていない事に気付く。


「裕也、カレー食べないの?」
「ああ食べるよ」
「…そう、手によりをかけたカレーだからたくさんおかわりしろよ」
「・・・・・」


 裕也は頷いたあと一口二口と食べたのだが、それ以上は口に入らない。


「山元君おかわり!」
「え、うん。じゃあ…待ってて」


 開始から5分、雪奈はあっという間にカレーを平らげた。賢一は雪奈から皿を受け取ると奥のキッチンにあるカレーをつぎに行った。