私は好きなの!⇔オレを見ろ!

「アレアレ?暗いぞ。もう後悔したの?」
「…うん」
「何か気持ち悪いくらい素直でビックリした」
「オレだってそんな時あるさ。それよりさ…一つお願いがあるんだけど…」


 裕也はいつものような軽い感じはなく、真剣な声になった。


「何?紗耶と付き合いたいとか?」
「違う、作者なら時間とか戻せるだろう?雪奈にあんな事言って…その」
「ダメでしょう。どういう形であれ裕也の出た本音なんだし、甘いよ」


 正論を言われ、思考が停止した裕也はまるで人形のように固まる。


「謝れば?」
「・・・・・」
「謝れない?それとも本当に顔を見たくない位嫌いになったの?」
「・・・・・」
「まあ私はどちらでも…、それより水まんじゅうをまた買ってきてよ。私のお土産何だから」
「・・・・・」


 裕也は一切反応せず、作者は電話の向こうからため息を吐く。