私は好きなの!⇔オレを見ろ!

「それと川口さん、カメラも借りたんだけど…、使える?私機械とかあまり得意じゃ…」
「どれだけ用意がいいのこの子は」


 ちゃっかりと演劇部から借りた最新式のカメラを受け取り、テープがあるかなど使い方を確認をし、何とか録画などの使い方を理解した。


「よし完ぺき、瞳にも裕也のマヌケシーン見せるから楽しみにしていてね」
「う、うん…。あの…と君」
「え?何か言った?」
「ううん、撮ったら見せてね雪奈。あ、もうこんな時間」


 瞳はバイトの関係で今日は早く出ないと行けないらしく、いそいそと部室を後にし部屋は二人となる。


「え…と、秋本さん」
「紗耶でいいよ」
「それじゃあ紗耶…、その…これからどうしようか?」


 雪奈は紗耶との微妙な空気と微妙な時間を過ごさないといけないことに正直困惑し、早くも帰りたい気持ちが生まれてしまった。