私は好きなの!⇔オレを見ろ!

 部屋に戻る最中、雪奈が使っている部屋から雪奈が出て来て、手にはスーパーの袋を持っていた。


「アレ?もうご飯?」
「違う違う。何か三人で事足りるから抜けてきた」
「三人?」
「賢一と紗耶ちゃんと理事長」
「ふ〜ん、じゃあ今ここには私たちだけなんだ」
「一階に理事長の旦那さんが寝てるけど」


 自分にあった相手に裕也はどことなく安心してしまった。


「暇ならお願い…あるんだけど」
「お願い?いいけど何?」
「部屋…、片付けるの手伝って」
「片付け?」


 部屋の中を見ると辺り一面お菓子の袋が散乱しており、机には食べこぼしもある。


「何だコレ!」
「お願い、こんな事頼めるのは裕也だけだから」


 雪奈は伝家の宝刀(?)である一生のお願いをし、裕也はため息を吐きながらも落ちているゴミを拾う事になった。