私は好きなの!⇔オレを見ろ!

 わけもわからない裕也は反論すらさせてもらえず、ビリヤード場には裕也と賢一、そして雪奈と一緒に来た紗耶が互いに何て言っていいかわからなず、苦笑いするしかない。


「宮本…君、ゴメンなさい…。水砂糖を食べていたんだけど…、川口さん…口に合わなかったみたいで…」
「雪奈は甘いもん好きだったはずじゃ…」
「私も…試食したん…だけど、味がなくって…」
「味がない?」
「氷砂糖ってお菓子…あるでしょう…?あの形をした…お菓子で水っぽくって」


 紗耶は身振り手ぶりで水砂糖の特徴を伝えたが、氷砂糖との違いは味以外わからなかい。


「まあ、ようするにそのお菓子美味しくなくって怒っていたってわけ?」
「…ええ。で、水まんじゅうは…」
「味がなかった」


 紗耶は首を横に振った。裕也は声には出さなかったが首を傾げる。