私は好きなの!⇔オレを見ろ!

 一方、雪奈と瞳は裕也の合コンの時に利用した居酒屋<かごめかごめか〜ごめかごめ>の向かいにある店におり、沈黙だけが続く。

「・・・・・」
「・・・・・」


 二人のテーブルにはアイスティーが二つ、そのほかチョコのケーキとフルーツが入ったケーキがあった。しかし、どれにも手をつけてはいない。


「ねえ、合宿だけでも…行かない?」


 重い口を開けた雪奈は、あの日何があったか聞けず、あまり関係ない話を切り出した。


「雪ちゃん、私って本当に馬鹿だよね…」
「な、何言ってるの?」
「あれだけ待たして…、ワガママにもほどがあるよ」
「い、一ヶ月位待たしたうちには…」


 雪奈は強い口調で瞳の意見に反対したが顔はそう思っていない。


「ありがとう。でも私、もうあそこにはいられない」


 瞳は席を立って伝票を手にするとレジに向かった。