私は好きなの!⇔オレを見ろ!

「なあ海斗、…その…何だ…、合宿の件だけど」


 本心は瞳の事を伝えたかったのだが、相手もいる事もあって今聞くべきではない質問となる。


「ご・ごめん。行けない」


 海斗は理由も告げずに大学の外に走って行き、町田真樹も慌てて海斗を追いかける。


 変わってしまった海斗にショックだったのか、裕也は海斗を追う事が出来なかった。


 そのまま部室へと戻ると雪奈だけは部室にいない。


「アレ…、雪奈は?」
「さっき、真中さんから…連絡があって」
「何て?」
「そこまでは…」


 紗耶は先ほど裕也が置いた退部届けをしっかり握っており、力のあまり封筒はぐちゃぐちゃにした。


「そうだ海斗に会った」
「笹木君…何て」
「合宿行かないって」


 三人はコレ以上打つ手なしで、後は瞳を説得に行った雪奈に全てを賭けるしかなかった。