幽…。
「ふぁ~、ごめん。
邪魔しちゃいけないと思って…」
教卓の中から1人の女の子が出てきた。
って…。
「琉衣!?」
「ハハハ…」
苦笑いしながら頭をかく琉衣。
いつからそこに…。
私の心を読みとったかのように、琉衣は説明しだした。
「あのね、最初ホントはみんながここに戻ってきた時にビックリさせようと思って外には出ずに、ずっとここで隠れて待ってることにしたんだ。
でも文化祭の疲れがでたのか、気づいたら寝てた」
「…いつ目が覚めたんだ?」
「え?
今さっきだけど?」
キョトンと首をかしげる。
今さっきってことは、私たちの告白とか、キスしたとかは知らないみたいだね…。
良かった。
「けどまさか二人がいるなんて知らなかったから、とっさに隠れちゃったよ」
「なるほど、そういうことだったんだ」
「ま、なにはともあれ、まずは外に出ようぜ」
「そうだね。
琉衣はどうする?」
まだここにいるのかな…?
「あ、私も外にでるよ。
なかなかみんな戻ってこないし、1人でいるのも寂しいしね」
「そっか、じゃぁ一緒に行こう」
「うん」
私たちは教室の電気を切って、階段を下りて行った。
来るときは1人だったから怖かったけど、今は二人もいるからそんなに怖くないかな…。
あっ、そうだ。
葉月は応援してくれてたし、なにかと相談にものってくれたんだから、南と上手くいったことを、まず最初に葉月に伝えよう。
喜んでくれるかな…。



