青春と幼なじみ

『南~、葉月~?』



家の近くにある神社の鳥居の下で二人が来ていないか見渡す。



…どうやらまだなようで。



この神社は夏になると祭りをしする。



その祭りに私たちは毎年一緒に行ってるのだ。



そして、今日も待ちに待ったその祭りの日なのだけど…。



鳥居の下に6時に集まる約束をしていたのに来てみれば私1人だけ…。


『も~、南も葉月も遅い~。
一体何してるのやら…』




ぷ~とほっぺを膨らませて、鳥居の柱に持たれながら待った。




それから五分後ぐらい…。



息を切らした二人が走って来てくれた。



『葵、悪い!』



『ごめん、葵!』



『も~、遅いよ~』



『悪い。
俺浴衣着るの初めてだから…』




『僕も。
慣れない格好しつつも急いで来たつもりだったんだけど、遅れちゃったね…』




そういうことですか…。




そういえば、二人の浴衣姿初めて見るかも…。



『じゃ、遅刻した二人には罰として綿菓子とりんごアメ買ってもらおうかな!』



『えぇ~』



『じょうがないでしょ、遅刻したんだから』



『そうだけどよ~』


『いいじゃん、南。
それで葵の機嫌が直るなら安いもんだよ』



『葉月…お前は太っ腹だな』



『そう?』



『しゃーねぇ、葉月が買うんなら俺も買ってやるよ。
仕方がなく…だけどな』



『ホント?
わ~い、ありがと!』



こうして私は機嫌を直す変わりに、屋台でお菓子を買ってもらうことになった。



『じゃ、早く行こう!』




『うわっ!』



『お、おい葵!』



私は二人の腕を引っ張って、早々と階段をかけ上がって行った。